管理薬剤師・エリアマネージャーの仕事となり方
管理薬剤師とは薬剤が存在するところには置く必要が医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下、医薬品医療機器法 元は薬事法と呼んでいました)で決まっています。
管理薬剤師は調剤薬局の他にもドラッグストア、医薬品卸業、医薬品製造業(製薬会社)に設置が義務となっています。しかし、その業種によって役割は違います。今回は調剤薬局における管理薬剤師を扱います。
エリアマネジャーとはチェーン展開しているドラッグストアや調剤薬局チェーンである地域の店舗や薬局の管理をするのが仕事です。医薬情報担当者(medical representative:以下MR.)でも病院担当者から支店長、支店を複数管理するエリアマネジャーがありますが、今回はドラッグストアや調剤薬局チェーンにおけるエリアマネジャーについて扱います。
管理薬剤師
管理薬剤師は第4回厚生科学審議会 医薬品販売制度改正検討部会(2004年7月21日)の検討により、責務の内容が決まりました。
薬局における管理薬剤師の業務には「管理」業務と適正な使用のための「情報提供」業務、その他があります。
「管理」業務
管理業務には従業員の監督と医薬品等の管理の二つがあります。
従業員の監督
薬剤師、薬剤師以外の従業員が接客や法令遵守、情報提供の適否に関することを適性に行っているかを監督することと薬学の専門的な知識が必要な場合に薬剤師、薬剤師以外の従業員が対応できない場合に対応することが役割となります。
医薬品などの管理
以下の具体的な役割があります。
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管理薬剤師等の責務の内容について 2004年7月21日より引用
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/07/s0721-6d.html
適正な使用のための「情報提供」業務
管理薬剤師自ら行うか他の薬剤師に任せても構いません。いわゆる調剤薬局での適正使用のための業務になります。
服薬指導、情報提供になります。医薬品の情報提供方法は一律ではなく、患者さんの年齢、病気、病気の進み具合により提供すべき情報の範囲を決める必要があります。
処方せんに関する疑義がある場合には医療機関に問い合わせる必要があります。
副作用情報の収集、報告など
必要な情報が常に入手、活用、提供できる体制を整備することが管理薬剤師の責務となります。厚生労働省への副作用情報の報告も管理薬剤師の役割です。緊急安全情報などの医薬品の有効性・安全性情報を収集し、管理下にある薬剤師に情報を伝わる体制を整備する役割も担います。
管理薬剤師になるには
管理薬剤師の従業員の監督に関しては、マニュアルあるいは標準手順書を作成し、対応が薬剤師、薬剤師以外の従業員の仕事が人により異なることを最低限にする必要があります。また、深い専門知識を持ち、維持することが必要となります。
医薬品の管理は標準手順書を作成し、ある期間ごとにチェック記録を作ることをお勧めします。
適正な使用のための「情報提供」業務に関しても、マニュアルあるいは標準手順書を作ることが必要となります。
副作用情報の収集、報告に関しても医薬品医療機器法や通達に目を通しておく必要があり、改正があった場合にはすぐに入手して、薬剤師や薬剤師以外の従業員に伝える必要があります。
管理薬剤師になるには薬剤師業務の経験、情報収集能力、コミュニケーションスキルは対顧客だけでなく、薬剤師や薬剤師以外の従業員、薬局開設者に対する教育、意見具申の貯めに必要になります。
1薬局に1管理薬剤師しか必要ありません。そのため、定期的な人事異動のあるような調剤し薬局チェーンなどの方がなりやすいと言えます。年収は管理薬剤師になることによって増えますが、その分責任も増えます。マニュアルや標準手順書が既に作成している場合には管理業務は比較的楽ですが、一から行うのは大変です。
日頃の薬剤師業務の中で、専門知識を増やすこと、法令などを迅速に入手すること、改善すべき点は管理薬剤師に意見具申する等の管理薬剤師的な業務を行っていくことが管理薬剤師への道です。
現在働いているところでは、この先何年も管理薬剤師になれる可能性が低いときには、十分力を蓄えてから転職することも視野に入れる必要があります。
エリアマネジャー
エリアマネジャーは複数の薬局の管理薬剤師という側面とそのエリアの薬局がいくつ必要なのかなどの経営的な側面の二つをこなす必要があります。
これは管理薬剤師として経験を積むことによってだけでは得られるものではありません。またエリアマネジャーは薬剤師資格を持つ必要はありません。
チェーン店の中での中間管理職に当たりますので、そのチェーンがどのような人材を求めているかを研究する必要があります。