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製薬会社の「薬事部」の紹介と転職のメリット

製薬会社の「薬事部」とは厚生労働省の折衝を行う部門です。一番大きい仕事は新医薬品の承認申請です。

 

医薬品の申請書類の中核をなす申請概要は「品質」、「有効性」、「安全性」を確保していることを文書を持って説明するものです。この文書の体系はICH(日米EU医薬品規制調和国際会議)でCTDとして共通のガイドラインが施行されています。しかし、各国では申請先の相手や記載されている言語が異なることから日本のCTDは「GAIYOU」と呼ばれています。

 

この新医薬品概要の最終チェックするのが薬事部の仕事です。さらに、当局からの質問事項や要望を受け取る窓口になります。回答に関しては薬事部は最終チェックを行いますが、質問や要望の内容によって、関係部署に問い合わせ、文書作成を依頼します。

 

薬事部の製薬会社の位置付け

申請概要の最終チェックをすることから、信頼性保証本部のもとに薬事部を置くことが多くなっています。信頼性保証本部とは研究開発から薬価収載された新医薬品の品質保証を行う部署です。工場で申請した規格に基づいた医薬品が生産されているか、安全性情報はきちんと収集されており、その情報の提供とはルールに則って行っているかを保証する部門となります。

 

薬事部はその中で申請概要の信頼性を保証するものです。申請概要は多くの人の協力によって作成されることから、一貫性に欠ける可能性もあります。その一貫性が保たれているかどうかの最終チェックが薬剤部の仕事となります。

 

また臨床試験では総括報告書の内容と一致していることも確認する仕事や誤字脱字のチェックも必要となります。一時申請概要にそのような間違いが必ずあることから、厚生労働省は、誤りのないことを保証する文書を品質保証本部の役員の名前で求めています。

 

薬事部の設置場所

多くの製薬会社は厚生労働省と近いことから、東京に老いている場合があります。しかし、製薬会社の場合には大阪に本社がある場合が多いことから、大阪に薬事部がある場合があります。このことから、厚生労働省が行う治験相談等を大阪で開くこともあります。

 

単なるチェック機構から戦略的薬事部への動き

治験と市販後臨床試験の担当者が異なることから、申請概要をしっかりと読み込んでいる市販後臨床試験を、厚生労働省から求められる前に立案するなどを行うことを戦略薬事と呼ぶこともあります。また、海外の薬事事情はICHとは関係ない国もあることから、そのあたりの事情を鑑みて、どの国で治験を行うのがベストか、今の資料だけで申請できる国はどこか、その国での追加試験はどのような試験を求められるかを検討することも戦略的薬事の仕事となります。

 

薬事部はどんなキャリアを持っているか

新入社員はまず、文書のチェックから行いますが、製造方法、分析方法、試験管内試験、動物における有効性の検討、動物における毒性の検討、動物における有効性あるいは安全性以外の効果に対する検討、臨床試験に関する知識が必要になります。

 

そのため、すべてが素人では時間がかかることから、いきなり薬事部に配属されることは比較的少なく、各部署で何年か修行した人が薬事部に移ることが多くなっています

 

薬事部への転職と待遇

転職を考える場合には、何か一つの専門を持っていることが必要です。調剤経験はほとんど薬に立ちません。大学でどれか一つ専門家と話せるような知識を身につけている場合には薬事部も選択肢になります。

 

収入に関しては単なるチェック要員の間は、MRよりは低い年棒となります。しかし、専門性を持つことによって、あるいは当局の質問の内容をしっかり理解して、各専門部署から上がってくる回答に対して、議論することができるようになれば、経験年数が同じであればMRよりも高い給与が望まれます。

 

薬事部に求められる人材

厚生労働省だけでなく、社内の申請に関与するあらゆる部門と折衝する必要があることから、折衝能力があることが第一に求められます。

 

浅く広い専門性が望まれます。深い専門性は自社の専門家に質問すればいいので、浅くても構いませんが、あらゆる部門との折衝となるので、広い専門性が求められます。

 

審査報告書に関して

新薬として承認された新医薬品にかんして、審査経過をすべて報告書としてまとめる義務が厚生労働省にあります。従って、これを読むことは非常に勉強になります。

 

現在は新医薬品として承認されたもののみ審査報告書の作成が義務となっています。しかし、最近、厚生労働省は新薬申請の取り下げを指示することができるようになりました。この制度ができた際には将来的にその指示を出した審査報告書を作ることが義務となります。

 

成功の原因はほぼ決まっていますが、失敗は色々な原因があります。そのため、製薬会社は中止を指示した審査報告書が公開するのを望んでいますが、まだ公開になったものはありません。

 

他社の開発状況の把握

かつては、治験実施の情報は製薬会社の秘密事項でしたが、第1相試験以外は治験開始時に公開することが義務づけられています。これは、他者が真似することよりも、例えば今の治療では不十分と考えられる患者が治験に参加することができるメリットの方が、厚生労働省が判断したことと、試験に失敗すると論文にまとめることなく。なかったことにする製薬会社の存在が出版バイアス(出版されるのは成功したものだけだと、実際よりも効果が高く見積もってしまう可能性)を避けるために、国際的な要求に応えるためです。

 

かつては薬事部の仕事としては他社の開発状況を把握することは大事な仕事でしたが、今は、コンピュータのキーを叩くことで簡単に入手可能となっていることから、あまり重要視されなくなりました。


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