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なぜ人は歩きスマホをするのか、脳科学的考察

歩きスマホは他人に迷惑をかけるので、しないことがエチケットです。しかし、二宮尊徳のエピソードに薪を背負って歩きながら読書をするというものがあります。(某携帯電話のCMで金太郎が真似をしているところがありましたね)

脳科学の進歩により、なぜ歩きながらスマホをすることができるのかが分かってきました。また、年齢を重ねると歩きスマホが難しくなっていることが分かりました。この研究についてご紹介します。

東北大学の研究

等法区大学病院肢体不自由リハビリテーション科の研究によると、歩きスマホ中の左右の脳活動はスマートフォン操作と歩行への注意に別々に関与していることを明らかにしました。

この研究では、微弱な光で安全に脳活動を評価することができる光トボグラフィー装置を用いて歩きスマホ中の脳活動を調べました。

スマートフォンの操作は数字を順番に押すタッチゲームを使用しました。

16人の若者と15人の高齢者で実験を行いました。

結果は、スマートフォン作業中には若者も高齢者も前頭部が活性化することが分かりました。若者では左の前頭部が活性化率が高いほどスマートフォンの操作が上手にでき、右の前頭部が活性化するほど安全な歩行を選択する傾向がありました。しかし、高齢者は前頭部が活性化してもスマートフォンの操作も安全な歩行にも関係がありませんでした。

この研究は脳活動を利用した高齢者の転倒予防や、脳を活性化することを応用した高齢者のリハビリテーション訓練手法の開発を目的として行われました。

若者では前頭部の活性化が目的を達成できる可能性があります。しかし、高齢者では前頭部の活性化だけでは実際の行動をモニタリングすることはできませんでした。

目的を達成するためには更なる研究が必要です。

 

光トポグラフィー装置の実用化

図 1 今回の研究に使用した光トポグラフィー装置

図 1 今回の研究に使用した光トポグラフィー装置

 

700~900nmの近赤外光を前頭部に照射し光の吸収度の変化を測定して脳血流量を測定する装置。血流量が増えると前頭葉が活性化したと考えます。

光トポグラフィー装置は既にうつ病の鑑別診断に対して実用化が実現しています。厚生労働省が指定した病院では健康保険が適用となります。

うつ病と統合失調症では使用する薬剤が異なることから、鑑別は非常に重要です。精神病に関しては自覚症状の聞き取りにより、診断を下す必要があります。統合失調症の初期症状は不安、不眠、抑うつ、意欲低下、倦怠感といったうつ病と似た症状があることから、幻覚や妄想などの陽性症状が出現しないとうつ病と診断してしまう場合があります。

光トポグラフィー装置ではうつと診断した集団から7割の統合失調症を鑑別することができます。

健常者と精神疾患患者の判別に関しては、光トポグラフィー装置はまだ、スクリーニングとして使うぐらいの感度しかありません。

その他の非侵襲的脳活性化の研究

赤外線の波長を700nmから1300nmに広げると、大脳皮質の表面部位の血流量を測定することができます。これを近赤外分光法(NIRS)といいます。

色の識別に関しては言葉の影響を受けるという仮説が現在はほぼ定説となっていますが、裏付けるデータがあるわけではありません。

中央大学は日本女子大学、東北大学と共同で、言葉をすべて理解しているわけではない乳児を対象に色の変化に対する脳の変化を近赤外分光法で用いて脳の血流量を測定したところ、おとなと同じ脳血流流量の変化が起こることが判明しました。

図 2 実験の様子

図 2 実験の様子

色を見分ける力は、言語の獲得に関係なく、脳内処理として存在していることが明らかになりました。

「青」や「緑」に関して、眼内の光受容体に問題のない限り、すべての人は同じ色として脳内で、処理している可能性が高いということです。その脳内処理と言葉を結びつけて色を他人にも伝えることができます。

 

【参考資料】

東北大学 プレスリリース 「高齢者における歩きスマホの危険性 ‐スマホ操作と歩行への注意は左右の脳で別々に処理される‐」

http://www.tohoku.ac.jp/japanese/2016/02/press20160203-01.html

 

Takeuchi et al. Parallel processing of cognitive and physical demands in left and right

prefrontal cortices during smartphone use while walking. BMC Neurosci (2016) 17:9 DOI 10.1186/s12868-016-0244-0

https://bmcneurosci.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12868-016-0244-0

 

滝沢 龍、福田 正人、「精神疾患の臨床検査としての光トポグラフィー検査(NIRS)」〈MEDIX VOL.53 30-35

http://www.hitachi-medical.co.jp/tech/medix/pdf/vol53/P30-35.pdf

 

中央大学 プレスリリース「青と緑を区別する赤ちゃん」

http://www.chuo-u.ac.jp/aboutus/communication/press/2016/02/39771/

 

図1は東北大学 プレスリリースから引用しました。

図2は中央大学 プレスリリースから引用しました。


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