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オッズ比の意味

オッズ比の意味を知って、治療内容を理解しましょう

エビデンスに基づく医療というのは、その治療法が有名な先生が勧めているからというような判断基準ではなく、客観的な方法で効果と副作用のバランスが最も優れていることの証明がある医療です。

また、生活習慣に関しては有害なものの禁止や食事療法もエビデンスに基づいたものである必要があります。

生活習慣病の予防として禁煙、総カロリー量の制限、炭水化物、タンパク質、脂肪のエネルギー点としての量を日本人食事摂取量に合わせるなどがあります。これはオッズ比で決まっています。

禁煙を例にとると、国立がんセンターは日本人を対象とした研究をまとめて再解析した結果(メタアナリシス)、日本人のタバコを吸うと肺がんになるリスクは吸わない人に比べて4.4倍、女性では2.8倍と報告しています。

これはタバコを吸う人が肺がんに罹患する(あるいは肺がんが原因で死亡する)オッズとタバコを吸わない人のオッズの日をとったものです。

オッズは発生確率をpとするとp÷(1-p)で表示します。発生確率よりも高めの数字に出ます。発生確率pは検討した人数をn、発生した数をaとするとp=a÷nとなります。

何のために統計があるのか

医療の範囲に限ると統計の役割は5つの役割があります。

  1. 結果の要約
  2. 結果を判断する材料の提供
  3. 結果の一般化と言い過ぎの防止
  4. 客観化と標準化
  5. 科学的で効率的な臨床試験の実施

結果の要約

薬の効果をひと言で表すためには有効率と危険な副作用の種類と発現頻度を記載します。結果の要約に関しては平均値を使う場合が多くなっています。しかし、医学の分野では慎重に有効率を求めます。例えば血中コレステロール量の低下を指標とした場合には、プラセボ群の試験前と試験後の平均値の差と投薬群の試験前と試験後の平均値の差を比べてもあまり意味がありません。試験にはバラツキが大きいので例えばプラセボ群は9割不変でも1割に大きな減少した人々がいると、たとえ、投薬群が全員少しだけ減少しても、効果がないことが分かります。

従って、結果の要約を決めるのには配慮が必要です。

結果を判断する材料の提供

結果に関しては、コレステロールを下げる効果を見ていることから、前値から10減った人の割合が(あるいは正常域に戻った人の割合が)プラセボ群に比べて有意に多かった。 と言う話をよく耳にしますがこれでは判断できません。コレステロールを10下げた人が何パーセントあるかが問題になります。 これは3、4も同じ事です。

科学的で効率的な臨床試験の実施

これは、症例数の問題が多くなっています。有効例だけを提示した症例報告だけで、新しい治療を採用する人はいないでしょう。 では、プラセボより少しだけ効果のある薬剤を大規模比較試験によって有効率が1%だけ上昇したが有意であったというのはどうでしょうか、使うひとは、よほど極端な人だけだと思います。

オッズ比を正しく理解するために

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Aというサプリメントを飲むと膵癌になるリスクを1/10になると聞いたときには、このサプリメントを飲もうと思います。例えば以下の試験からデータが計算されたとしたらどうでしょうか。 サプリメントを飲んだ人10万人中1人膵癌が発生。サプリメントを飲まなかった人10万人中10人膵癌が発生した場合、オッズ比は1/10となります。 この場合に、このサプリメントを購入する期になりますが?

膵癌になるオッズは確かに10分の1になりますが、ほとんどの人で発生しないことから、有意であろうが、強い相関があろうが、臨床的には意味のない数字であることが分かります。

オッズ比で検討する場合には基準のオッズあるいは発生率を明示している場合だけ臨床的な検討ができることになります。

高価な制がん剤を使う場合に

新しい免疫療法剤は効果と共にその高い薬価が話題となっています。新しい免疫療法剤においてもがんは完治するわけではありません。

日本の場合には厚生労働省が効果と安全性のバランスから、高薬価を認めたわけですから、あまり気にする必要はないかもしれません。

しかし、今の承認申請を受けて承認し、薬価収載するときには医療経済学的な観点は全くありません。

医療経済的検討が行われているイギリスでは製造承認販売が得られたとしても、否定的な勧告を出す仕組みが存在します。また、無効だった場合には医薬品メーカーが薬代を払い戻すことを条件として薬剤に対する患者アクセスを平等化する勧告を行っています。

【参考資料】 医療統計 Q&A 佐久間昭 編 金原出版2007年 ISBN978-4-307-77148-1

学会・論文発表のための統計学 浜田知久馬 著 2012年 真興交易 ISBN978-4-88003-861-2

Wakai K., et al. “Tobacco smoking and lung cancer risk: an evaluation based on a systematic review of epidemiological evidence among the Japanese population.” Jpn J Clin Oncol. 2006 May;36(5):309-24.

医療経済研究機構 研究資料 イギリスNICEにおける医療技術評価の現状と医療技術ガイダンスのレビュー www.ihep.jp/publications/study/search.php?dl=91&i=6

画像は以下を参照しました。 http://www.ac-illust.com/main/detail.php?id=342872&word=%E8%A8%BA%E5%AF%9F


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