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うつ病患者の認知障害を適応にした抗うつ剤

うつ病の治療は薬物治療と精神療法からなっています。精神療法としては認知行動療法が中心になります。薬物療法は抗うつ剤を中心に行います。

 

抗うつ剤としてアメリカで販売しているBrintellixはうつ病患者の認知障害の改善を適応として、FDAに申請を行っています。

 

抗うつ薬の臨床評価方法とBrintellixに関して紹介します。

 

抗うつ剤の評価方法

うつ病は、抑うつ気分や不安・焦燥感などの気分・感情の症状を主症状として、意欲・行動の障害、さらには睡眠障害や食欲不振、疲労感などの身体症状を伴うことが多い精神疾患であることから、自覚症状が主となっており、数値化することが難しい病気です。

 

主要な試験(プラセボ対照二重盲検比較試験)では信頼性と妥当性が検討済みの国際的に普及しているハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D:Hamilton Depression Rating Scale)あるいはMADRS(Montgomery-Asberg Depression Rating Scale)を用います。

 

両評価方法とも面接によって評点をつけて判断する方法です。従って、面談者の技量に酔って差が出る可能性があります。信頼性と妥当性を検討するのは面接者の技能による差が小さくなっていると言うことを指します。そのためには面接者の教育が必要となってきます。

 

また、プラセボ効果が高い病気であることが分かっています。

 

認知障害に対する治療効果を証明したボルチオキセチン臭化水素酸塩

ボルチオキセチン臭化水素酸塩

商品名Brintellixでアメリカにて販売許可を受けている抗うつ剤です。承認用量は5~20 mg 1日1回、推奨服薬開始用量は1日10 mgです。

作用機序は神経伝達物質セロトニン(5-HT)の再取り込み阻害作用、また、5-HT1A受容体刺激作用、5-HT1B受容体の部分的刺激作用、5-HT3、5-HT1D、5-HT7受容体拮抗作用など、複数のセロトニン受容体での作用があります。

 

武田薬品工業がルンドベック社(デンマーク)から導入した薬物です。アメリカでは2013年に承認を取得し、日本では臨床第Ⅲ相試験が進行中です。

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うつ病と認知障害

うつ病の随伴症状として認知障害がある場合があります。認知障害の検査は数値で結果を判定できるので、比較的客観性を有します。

 

ボルチオキセチン臭化水素酸塩の認知障害に対する効果

うつ病の第Ⅲ相試験で認知障害に対する効果の可能性を見いだしました。FDAの承認申請の後、主要評価項目をうつ病による認知障害としてプラセボ対照二重盲検比較試験を行い、プラセボに対する優越性を証明しました。

 

新しい作用機序(複数のセロトニン受容体に対する作用)とうつ病の認知障害の改善と言うことで、他の抗うつ剤との差別化データを武器にすることができます。

 

Brintellix投与時に最も多く発現した有害事象(発現率≧5%かつプラセボ投与群の少なくとも2倍の発現率)は吐き気、便秘、嘔吐でした。

 

体重、血圧、心拍数に対する影響は最大12週間の投与では影響がないことを確認しています。

 

他の抗うつ剤では認知障害はどうなるのか

結論から言うと、分からないと言うことです。他の抗うつ剤では認知障害を主要評価項目として取り上げたデータがないからです。

 

今後、日本でBrintellixが製造販売承認を取得し、認知障害の改善を他の抗筒剤との差別化に用いて、プロモーションを行い、売上高が上がった場合には、他の抗うつ剤も臨床試験を行い、データをとって初めて結果が分かるかもしれません。

 

認知障害がなぜ起こるかについては諸説あり、詳しくは分かっていません。うつ病も同様ですが。従って、うつに効果のある薬剤ではどの薬にも効果がある可能性がありますし、Brintellixのみが優れているのかもしれません。作用機序の違いだけでは認知障害に対する効果を説明することは今のところできていません。

 

まとめ

抗うつ剤は主要評価項目として患者の自覚症状を面接により聞き取り、点数化したものを用います。

 

Brintellixはその試験に加えて、うつに比較的多い認知障害に着目しました。プラセボ対照二重盲検比較試験によりその効果を明らかにし、アメリカで追加効能として申請作業を行っています。諮問委員会では10人中8人が賛成しています。

【参考資料】

武田薬品工業プレスリリース 「成人大うつ病性障害における認知機能障害に対する 大うつ病治療剤Brintellix®(一般名:ボルチオキセチン臭化水素酸塩)の 臨床試験データに関する米国食品医薬品局(FDA)精神系薬物諮問委員会での投票結果について」

http://www.takeda.co.jp/news/2016/20160204_7287.html

 

厚生労働省医薬食品局「抗うつ薬の臨床評価方法に関するガイドライン」

http://www.pref.fukuoka.lg.jp/uploaded/life/153002_50805377_misc.pdf

 

大うつ病性障害の治療における、Lu AA21004を1日1回経口投与したときの有効性及び安全性を検討する、プラセボ対照の臨床第3相、無作為化、二重盲検、並行群間比較試験

(JapicCTI-152831)

 

画像は武田薬品工業のホームページキャプチャー


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