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ジェネリック医薬品の効果はどのように担保しているのか

厚生労働省は2015年6月の閣議決定においてジェネリック医薬品の数量シェアを2017年半ばに70%以上とするとともに、2018年から2020年までの早い時期に80%とすることの決定に従い、後発医薬品の使用促進のための様々な施策をとっています。

厚生労働省にジェネリック医薬品の申請を行う場合には製造方法、製品規格、溶出試験、生物学的同等試験、安定性試験の資料が必要となります。

記載の内容は経口薬剤を中心として述べます。

先発医薬品と後発医薬品の違い

有効成分は全く同じものを使用します。1錠当たりに実際に含有している有効成分の量は製品規格によって決めています。これは、製剤技術、有効成分以外のもの(賦形剤といいます)、有効成分そのものが製品を作るロットごとに異なる可能性があるからです。

先発医薬品と後発医薬品の最も大きな差は製剤技術と、賦形剤にあります。

有効成分は非常に少量でいい場合は、賦形剤によって飲みやすい量まで増やす必要があります。

製剤技術とは錠剤にする際にどれぐらいの圧力をかけて固めるとか、どのような賦形剤を添加すると有効成分の保存期間やもともと持つ味(苦味など)をマスクできるかを検討する技術です。

一般的には後発医薬品製造メーカーは先発医薬品よりも多様な製剤技術を有しています。先発医薬品メーカーはその有効成分に対する製剤の最適化に関する時間を有しています。実際には臨床試験の初期は散剤(粉薬)で実施する場合が多く、最後の試験は市販のために錠剤やカプセル剤にする必要があり、その際には生物学的同等性試験が必要となります。

溶出試験

先発医薬品でも1mg錠においては実際の薬剤では0.95mgから1.05mgになることは規格上許されています。実際には多くて1%以内に収まっています。これはロットごとに有効成分の含有量が変化する可能性があるので、必要な規格です。

先発医薬品に比べて、生物学的同等性試験のガイドラインが定義している液体に溶けるまでの時間を比較する試験です。

溶出試験は複数のロットの製剤で行う必要があります。製造工程の保証のためには、実生産ロットで行うべきですが、1ロットで実生産が大量の場合10分の1以上であれば大丈夫です。

余談ですが、後発性医薬品製造メーカーの場合には様々な製剤技術を有していることから、溶出試験で問題になる場合が少ないです。しかし、先発医薬品メーカーは、比較的製剤技術が限られている場合があることと、有効成分が新規物質なので時間が必要になる場合が多くなっています。

生物学的同等性試験とは

先発医薬品の臨床試験はプラセボあるいは既存薬剤との治療学的な面で比較する治療学的に優れていることを証明する試験です。

治療学的に同等であることを示すためには、効果と副作用の両方の面から証明する必要があります。これを1つのパラメータで判断することは統計学的に大変難しいことです。(かつては効果と副作用を合わせて医師が判断する有用性というパラメータがあり、それで判断する場合がありましたが、判断する医師のバラツキのためあまり使われていません。)

先発医薬品と作用機序が同じ新規医薬品は、効果に関しては非劣性、安全性に関しては副作用のプロフィールが同じであれば申請は可能です。

生物学的同等性試験は血中濃度が同じであれば効果は同じであるという大前提があります。

抗生物質などは先発医薬品でも薬効の証明の1つとして、血中濃度が最小殺菌濃度を上回っていることがあります。

他の薬剤でも血中濃度が同じであれば効果が同じと推定することは世界共通の理解です。

経口製剤の生物学的同等性試験の方法と評価

血中濃度の推移

図:1 血中濃度の推移

生物学的同等性試験の方法

前期に先発医薬品を服用した群は後期にはジェネリック医薬品を、前期にジェネリックを服薬群は後期に先発医薬品を服薬します。(この試験の形式をクロスオーバー法といいます。)

何を服用したかについては、投薬する医師も服用するボランティアにも分からなくなっています。(この試験の形式を二重盲検法といいます。)

例数は生物学的同等性を評価するのに十分な例数が必要です。そのため、予備試験を行い、必要例数を推定します。例数不足のために同等性が示せない場合には1度だけ例数を追加して行うことができます。

被験者は原則として健康成人ボランティアです。低胃酸の影響が溶出試験で明らかになっている場合には、低胃酸のボランティアを対象とします。

抗悪性腫瘍剤などでは薬効または副作用が強いのでその薬剤の適用患者で行うことが加工です。

代謝が遺伝子多型に影響を受ける場合には、遺伝子多型を持つ遺伝子のみあるいは遺伝子多型を持たない患者に限って行う必要があります。有無の判断基準はクリアランスが大きい方です。(排泄が多い方)

投与方法は単回投与方法です。用量は原則として臨床常用量(1回分)です。血中濃度の検出が難しい場合には最大用量まで増量することが可能です。

測定時間は最高血中濃度(Cmax)と血中濃度曲線下面積を(AUC:Area under concentration)評価するときから定めます。投与直前に1点、Cmax に達するまでに1点,Cmax 附近に2点,消失過程に3点の計7点以上の血液採取が必要です。

最終測定時間はCmaxに達する時間から消失半減期の3倍以上の時間を測定します。

実際には24時間が採用されることが多くなっています。半減期の長い場合には72時間以上の測定が必要となります。

前期と後期の間に消失半減期の5倍以上の休薬期間を置きます。

評価方法

Cmaxと最終測定時間までのAUCが生物学的同等性試験の評価パラメータとなります。

生物学的同等の許容域は、AUC 及び Cmax が対数正規分布する場合には,先発医薬品と後発医薬品のパラメータの母平均比で表すとき 0.80~1.25 です。

統計的解析

CmaxとAUCは対数正規分布することが多いので、対数変換して統計解析を行います。

先発医薬品と後発医薬品の判定パラメータを計算し、平均値の差の 90 %信頼区間が、log(0.80)~log(1.25)の範囲にあるとき,試験製剤と標準製剤は生物学的に同等となります。

これは臨床的には20%未満の差であれば許容範囲であると一般的になっているからです。

ここで単純平均値の比率ではだめなのでしょうか?

単純平均の比率よりも、個人での差の平均値が大きくなる可能性になります。個々の差が取り上げられています。

生物学的同等性試験の問題点

生物学的同等性試験のガイドラインでは20%までは許容範囲としています。これは一般的な薬品では問題はありません。

ジゴキシンなどの効果と毒性の問題が明らかな場合には、実際に血中濃度をモニタリングすることで避けることができます。先発医薬品でもこの測定が行われているので、後発医薬品では測定を行えば問題があります。

具体的に問題となっているのはてんかん薬の問題です。日本小児神経学会は後発医薬品への切り替えに関する提言を行っています。

学会が問題にしているのは長期間投与の保証がないことです。先発医薬品から後発医薬品への切り替えに関しては心理的要因も関係する場合があるとしています。

発作が抑制されている患者における先発医薬品から後発医薬品の切り替えに関しては、慎重に行う必要があるとしています。

医療品医療機器総合機構では一般からの窓口を作成し、後発性医薬品の切り替えに関する問題を収集していますが、年間30例前後の切り替えよって問題が生じたという報告があります。

この情報に関しては切り替えの母数が分からないことから問題は0ではないが、検討すべき問題かどうかは分かりません。

この問題を解決するためには、大規模な切り替えをおこった場合とそうでない場合の比較試験が必要です。

 

【参考資料】

・後発医薬品の生物学的同等性試験ガイドライン

http://www.mhlw.go.jp/bunya/iryou/kouhatu-iyaku/dl/30_0004.pdf

抗てんかん薬の後発医薬品への切り替えに関する提言

http://child-neuro-jp.org/visitor/iken2/Generic08.html

画像

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